ニューヨーク/白石民夫と詩人吉増剛造の舞台が素晴らしかった件

ニューヨーク/白石民夫と詩人吉増剛造の舞台が素晴らしかった件

私が最初にニューヨークに行った年から共演させていただいている白石民夫氏がある時、詩人の吉増剛造氏と共演する機会があり、その舞台を観に行きました。ニューヨークのISSUE Project Roomというところの企画でかなり大きな劇場を使った大掛かりな舞台で、なにやら普段はお客さん2〜3人で地下鉄で演奏していたりする白石さんらしからぬ雰囲気ですが、その日の対バンには今やNHKの朝ドラや大河の音楽担当として超有名になっている大友良英氏がいたりと、なんだか白石さんの「底力」というか歴史ならではの機会だったのかなと思います。
→その日のイベントの詳細はこちら(ISSUE Project Roomサイト)

とはいえ、舞台は舞台であって地下鉄であろうと大舞台であろうと面白いものは面白いしそうでない時には心が動かないというのがRoomin’の基本レビューです。まず私はかなり正直でいたいというのもあり滅多に舞台を褒めたりしない、レビューに関しては少し天邪鬼なところがあるのですが、その日の白石さんにはとにかく感動してしまい私は彼にも賛辞を伝えました。なんというか、圧倒的なドミナント(優位性)をその舞台で放っていたように思うのですが、それは滅多にないことであり多分実力とかそういうことだけではなくて「身体の存在」要するに「身体性」というところを圧倒的に放っていたとしか言いようがないのです。それは例えば、USオープンに初めて出場したテニス選手が神がかったように状態が良くなっていきなり優勝してしまうといったような状態に少し似ているんじゃないかと思います。清々しい美しさとでもいいましょうか。その時はCammisaもおなじみの自作パイプオルガンを携え堂々と舞台で演奏していたのですが、いつもはカオスな彼女もその日は何か「夜会」というか発表会を意識したコスチュームでその様子もとても良かったです。

この時は結構きちんとした(?)コンサートで、会場にはスチールが入っておりその写真は写真家の方のサイトに公開されているのでぜひそちらをご参照いただければと思います。吉増剛造さんのパフォーマンスの様子も伝わるかと思います。
→全体の様子はこんな感じphoto by Peter Gannushkin/DOWNTOWNMUSIC.NET-https://downtownmusic.net/

私はこのコンサートの少し後に白石さんとCammisaを交えての会を予定し準備していたのですが、その時のライブがあまりにも良かったのでこの時の写真をDMに使いたくて、このスチール写真を撮影したPeter Gannushkin氏に写真を使っても良いかどうか連絡をして承諾の許可をいただきました。その時の条件がPeter Gannushkin/DOWNTOWNMUSIC.NET-https://downtownmusic.net/と併記するということでしたので、いちおそれに従って許可をいただいた写真はこちらでも掲載させていただこうかな〜と思います。

Peter Gannushkin/DOWNTOWNMUSIC.NET-https://downtownmusic.net/

ちなみに後日談なのですが、白石さんとCammisaが「大凶風呂敷」というユニットで日本ツアーにやってきて、(主に東京が会場だったので行くことはなかったのですが)その際のチラシの白石さんの経歴に共演者として私の名前を記載してくれていたのはかなり嬉しかったですね。しかも「吉増剛造(詩人)」と同格に併記してくれていたことは私の密かな自慢のひとつです。

大凶風呂敷の日本ツアー

白石さんがニューヨークの地下鉄で演奏した即興演奏を収録した伝説的CD
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