ニューヨーク/Gianが設定してくれた即興ライブ”1+2+3 Series”と”IBEAM”

ニューヨーク/Gianが設定してくれた即興ライブ”1+2+3 Series”と”IBEAM”

“1+2+3 Series”の会場は驚きの…

前回マネキンと一緒におどったビデオ作品を一緒につくったGian(→多彩なGianがつくってくれた動画「DAMMIES」)ですが、今回の私の訪紐に合わせて、いくつかライブをアレンジしてくれました。
ひとつめはCreative Music Studioなんかにも参加しているベースのNicolas Letman(通称:Nico)が主催する”1+2+3 Series”というイベントへの参加で、舞踏と法竹に加えてlaptopのGianとベースのNicoの4人でのセッションを設定してくれました。指定された会場は地下鉄「B or Q」ラインの先の方で、ブルックリンの中でもあまりいったことのない「Newkirk Plaza」駅の近く。駅前はこじんまりとこぎれいなとても感じのよい雰囲気でニューヨークとしては珍しくちょっとした駅前広場なんかあったりします。

ブルックリンにはライブを行うvenueが数多く点在しています。

どうやら郊外の高級住宅地のようで駅前から通りに入ると一軒家が並んでおりますが、こんなところにライブができる場所が果たしてあるのか…??ニューヨークの住所は道路の名前で示されておりその通りに面した順番に番号がふってあってEvenとOdd(偶数奇数)が互いに並んでいるシステムなので住所だけでその場所にたどり着くことはできるのですが…。(当時はGoogle Mapとか使っていなかった)なかなか場所が見つからないでいると、どこかからGianがやってきて声をかけてくれました。そして並んでいた一軒家のひとつに玄関から入っていったのです。ここはNicoの自宅兼スタジオで今日のイベントの会場はNico邸だということでした。そりゃ外から見たらわからんよな〜と思いつつ、お邪魔するとちゃんと生活の場からは独立したスタジオスペースがあって既に本日の対バンが何組かいらしていました。かなり大がかりな鉄琴とかドラムセットとか、自宅でのLIVEとは一概に言えない多彩な顔ぶりです。観覧者もほとんどが出演者となってしまうのですが、それでも出演者だけで軽く10名は超えていたかと思います。

パフォーマンスも至近距離で行われるので極小の小宇宙のカオスといったところ。でも、その日は初めてみた舞踏に大興奮してくれるミュージシャンもいらしたり、他の出演のミュージシャンのライブもたくさん見ることができて充実感に浸りました。Nicoのホスピタリティに感謝です。

IBEAMは結構立派なライブ会場だった

Gian(ジアン)とFrederika(フレデリカ)・IBEAMは高い天井で音響もよい

Nico邸でのセッションの2週間ほど後に、Gianがよく組んで演奏しているヴァイオリニストのFrederika Krierとのライブに、舞踏とのセッションステージを設けてくれました。今回の会場は「ブルックリンの最もおしゃれエリア」河岸に近いあたりに位置する「IBEAM」というvenueです。ここにはグランドピアノがあり客席もちゃんと椅子が並べられて、そこそこな規模のコンサートもできそうな素敵な会場でした。飲食の提供やバーもなく、シンプルに音楽を楽しむ一本筋の入った「場」といえるかと思います。FrederikaもCreative Music Studioにちょこちょこ参加しているミュージシャンですが、かなりすごいと噂で聞いておりましたので共演できることを楽しみにしていました。

Frederikaはクラシックを相当やり込んだうえに即興の感性も抜群という印象でした。このライブでは非常に私の動きとの呼吸を図っていて、特に中盤に至った時にFrederikaのヴァイオリンとおどりとが何かを交感し合い、ヴァイオリンの音がまるでどこかの知らない国の名もない楽器の音色のような叙情的なものとなるという「雰囲気の変容」を起こしてくれていたように私は思うのですが、さすがとしかいいようがありません。類稀なる才をもつミュージシャンかなと思います。

後日、これらのライブの案内をしていた白石民夫さんから「Nico邸のライブに観に行ったのだけど、会場が見つからなかった」という連絡をいただきまして…、流石に白石さんも一軒家が会場だとは想像しなかったようです。すみませんでした。。。(Nov. 2013)