森の稽古@アートスペーステトラ/異種舞踏稽古4回目/舞踏とは唯一無二の追求を体現することだとおもう

森の稽古@アートスペーステトラ/異種舞踏稽古4回目/舞踏とは唯一無二の追求を体現することだとおもう

久々に本降りの雨の神無月。OddRoomingでは「音を立てて降る雨の状態」を「雨露」(wuro)と呼んでおり、まさに「雨露」状態の週末「アートスペーステトラ」での「森の稽古」を行いました。ちょうど会場では来週から始まる展覧会の準備が行われていて作品の展示がはじまっており、作品保護のために作品周辺エリアには立ち入らないことのご説明をいただいたので、おどる際に細かいことを気にしなくていいようにあらかじめ椅子机などでバリケードを作るところからはじめます。おどっている最中に「ここから先は入ってはいけない」とか、「これはしてはいけない」とかの考えが巡ってブレーキをかけてしまいたくはないものです。

それから何も言わずとも稽古場の掃除へ。私が床を自在ぼうきで掃いている間によしおが雑巾を絞って床を拭きはじめます。もう何度か利用しているので掃除道具のありかも把握しておりサクサクと床掃除を進めていきます。今回はテトラの運営メンバーであるcapture主宰の中村勇治氏がソプラノサックス持参でお立会いのもと、Master Wortazumiが法竹(地無し延尺八の一種)で参加し、音2名、おどり2名というなんとも贅沢な編成での稽古となりました。

ヒレで持っているのはない、添えているだけだ。呼吸で運指を制御。

森の稽古は私が東京で参加していた国立稽古をベースとしており
初の一時間は各個々が自分の身体やたたづまいや在りようを探る作業、誰も何もしめさないし、ひたすら自分で考える。最後の一時間をその時の参加人数で割り(ひとり15分〜20分)じゃんけんで順番を決めておどる。音楽は観る側の参加者が即興でオペレートする。“という流れにしたいと思っておりますが、さすがにまだ前半の何ない1時間は厳しいかなと思うのでとりあえず足腰のストレッチは一緒に行い、残りの20分ほどを各々の瞑想の時間としています。

じゃんけんによる順番決めでおどる

おどる時間となりましたが、今日はたまたま音2名、おどり2名なので、音とおどりのペアをつくってそれぞれのペアとしてソロをおどることを私の思いつきで提案したところよしおも賛同してくれたので早速じゃんけんでペアをつくります。音・おどりそれぞれが「グーパー」をしてペアをつくりさらにじゃんけんで負けた方からおどるというルールはいつもと変わりません。実に新鮮味がなくて申し訳ないと思いつつも、Roomin’とMaster WotazumiのOddRoomingユニットによるペアができてしまいました。これもルールなので淡々と従うのみです。こうしておどりと音のデュオを2組行い最後に全員参加による即興を行うことにしました。
厳正なるじゃんけんで順番を決めcapture主催 中村氏とよしおのデュオという滅多にないセッションから…。

ギリギリ壁、もはや壁であることは彼女の問題ではないと思わせる

動きはもったりと然しながら存在はすっきりと佇むよしおは陸にあがったとどのような動きも人魚(どちらかというとマナティがすっきりした感じ)になったかのごとくみえ、一方で欲のないおどりの流れを模索するかのように何かを探求しようと試みるようにも見てとれました。人柄も感じられるような中村氏との優しい雰囲気も感じるデュオだったと思います。
まぁOddRoomingのデュオも即興では久しぶりで、やはり作品づくり以外での即興の場を持つことが必要だし、さらにいうと即興で音と対峙する場合は一対一くらいで向き合わないと稽古としてはちと物足りないかなと思います。別に見栄えのするものをおどる必要はないのです。ただひたすらとこの場と居合わせたメンバー・共演の存在に体を開いて必死でそこにいることができればいいのだと思います。そういう経験は公演のための作品のリハ稽古や大人数でのワークショップではなかなか実現が難しいんじゃないかなと思ってこの森の稽古を行なっているのですが、感性の合うメンバーに恵まれて少しずつでも毎回の発見があるかな〜といったところです。

ていうか、よしおの写真やっぱいいな…。

稽古を終えてその場での意見交換で、おどり(舞踏)そのものに対する模索について悩みというかその思いを共有させてもらったのですが、私は人からなんと言われようと「その人が人の人にしかできないことを全力でしている」ことがすでに舞踏であると思っているし、舞踏において◯◯系などというラーメンのような分類はナンセンスだと確信しています。だから何も舞踏というものの価値観にとらわれることなく自分が世界で唯一無二の存在を体現していたらその時点で自分は自分にしかできない分野の「世界一」になるわけです。(決して「世界一」になることが目標ではありませんが)だからジャンルではなくて「存在」が立っていればいいのです。それは結構難しいことでもあり、だからこそ舞踏は自由が故に深く長い道のりなんだな〜とおどり歴20余年の私も未だ痛感しきりです。

むしろこんな写真を撮ってくれるよしおがすごい

前回の森の稽古はこちら
→森の稽古@アートスペーステトラ/異種舞踏稽古はじめました/無機質な空間で困る経験を刻む
→森の稽古@アートスペーステトラ/異種舞踏稽古2回目/それぞれが「場」との関わりを考える
→森の稽古@アートスペーステトラ/異種舞踏稽古3回目/とまっていてもすごく動いている


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