前回、稽古の計画をお伝えした通り、スペースを利用した「森の稽古」を始動しました。
→「2021年 森の稽古始動/寄る辺なきおどり手が身を持ち寄る場・舞踏と即興の稽古計画」
稽古場は福岡でも貴重なフラットなアート空間を維持し続ける「アートスペーステトラ」でこちらに訪れるのは久しぶりです。昨年OddRoomingを立ち上げて以来とにかく稽古をする「場」を持ちたいと思って以来念願だった稽古の開催は、もしかしたら「始動」というより「試動」かも？…と思うくらい試みに満ちているのですが、基本おどりは常に実験の繰り返しなので試みで大いに結構だと思うのです。その代わりといってはなんですが自分の中でピンとこないことや気の進まないことは決してしないので、結果がどのようになったとしても自分の感覚に従ったことであれば決して結果に左右されることはありません。大事なのは過程なのですから。
OddRooming公認アソシエイト・アーティストで「おどるうたうたい時々ヨガ」のよしおと、今回こちらを借りるにあたりお世話になっている管楽器ユニットCapture主宰の中村勇治氏お立会いのもと第一回の「森の稽古」です。
舞踏稽古をするにあたりまず最初に床を掃除することから始めることは想定しておりました。こちらはギャラリーがメインのスペースなので当然土足利用がデフォルトです。ただ、あまりにも久しぶりすぎて床の材質がどういう形状だったかは記憶が曖昧でしたが、実際に来てみると材質は石のようで、天然に近い素材っぽくもみえました。ちょうどレジデンスアーティストが滞在制作を行っていて、そこそこ（かなり？）掃除しがいのある床でしたがとにかく掃除、しかも雑巾による水拭きは稽古の基本とも言えます。やはりこの手で床を拭くことで床の状態もわかりますし、足の裏が接して何か違和感がないように整えるには雑巾がけが一番です。よしおと床を半分ずつ吹いていき、舞踏にとって床がいかに大事であるかということを語りつつ「場」は整いました。ちなみにテトラの入り口はシャッターで外界としきることはできますが、今回は目線を隠す程度まで下げ、下の方は開放して結構オープンエアな状態にしました。
前半は個人の時間。後半は踊りの共有の時間。
稽古初めですので、今回ともに稽古を行うよしおとお立ち会いいただく中村さんにOddRooming的森の稽古の趣旨をまずは説明します。内容としては前回も→「2021年 森の稽古始動/寄る辺なきおどり手が身を持ち寄る場・舞踏と即興の稽古計画」で述べたように、”初の一時間は各個々が自分の身体やたたづまいや在りようを探る作業、誰も何もしめさないし、ひたすら自分で考える。最後の一時間をその時の参加人数で割り（ひとり15分〜20分）じゃんけんで順番を決めておどる。音楽は観る側の参加者が即興でオペレートする。“
というものですが、これは結構初回としては厳しいかと思うので、(特に前半の一人で行うじゅんびは難しいと思うので）今日のところはとりあえず足や手などの身体のほぐしなどの身体的なじゅんびをひととおり一緒にしようかと石の上に腰をつけました。ひととおり身体の確認をし、Roomin’は普段腰痛がきついので、ヨガの使い手でもあるよしおに腰痛に効くポーズを教えてもらったりしていたらすぐに後半のおどりの時間が来てしまいました。
おどりの時間は基本一時間をその日におどる人数で頭割をするのですが、音の人の参加もありだと思うRoomin’の理想として、おどりのそれぞれのソロと最後に音と交えた全員による出入り自由の即興というのをイメージしております。その日はRoomin’とよしおによるおどりソロ×２と中村さんの演奏全員の即興という時間を過ごしました、ちなみに音楽のオペレートは踊っていない人が踊りの状態をみて行うというのがこの稽古のデフォルトとしたいのですが、基ミュージシャンであるよしおはもともとセンスはかなりよく難なくこなしてくれていたように思います。
一方で、おどる側の感触は、寄る辺なさを一層強調されたこの無機質な空間において、雰囲気でごまかしたりはできないし、かなり要素を剥奪された状態に近づけて、とにかく「困る」経験を実に久しぶりに感じて痛い思いをしました。これこれ、こういう痛さ、これを私は求めていたのかもしれないと思うのです。決していいおどりはできなかったかもしれないけれど、その痛い思いを刻む経験ができたことでまずは一歩を踏みだせた気がしました。踏みはじめです。
稽古用に購入したCDラジオがようやく活躍。薄型でお部屋に馴染み、リュックに入るコンパクトなつくりなので稽古に最適。単３電池６本で屋外でも使えます。Bluetooth対応。
↓↓↓楽天市場：東芝 TOSHIBA CDラジオ TY-AN1(K) [Bluetooth対応 /ワイドFM対応][TYAN1K]
