2017年広島での即興ライブ/九陰真経ならぬ九陰神経 featuring 若林美保

2017年広島での即興ライブ/九陰真経ならぬ九陰神経 featuring 若林美保

広島界隈の即興や芸事現場を往還しているMaster Wotazumiですが、2017年秋のこと、Wotazumi主催イベントを行うということでチラシをつくることになりました。どんなイベントかというとあの「ワカミホ」こと若林美保氏とMaster Wotazumiの即興デュオをメインとするイベントとのこと。「ワカミホ」といえばアート性の高いストリップダンサーとして名高く、あの耽美系(?)アート季刊誌「TH/トーキングヘッズ」ではまるまる一号特集が組まれたとのことです。(余談ですがRoomin’も「TH/トーキングヘッズ」誌には記事を掲載していただいたことがあります。)広島には第一劇場という老舗の小屋がありそちらの公演に訪れる機会があるの広島でのブッキングが可能となったようです。

Master Wotazumiがイベントのイメージとして「九陰真経(きゅういんしんけい,Jiuyin Zhenjing)」という言葉を持ち出してきたので調べてみると「九陰真経」とは中国のとある物語の中に出てくる架空の武術の秘伝書ということでした。そのままではただ単に固有名詞だし(しかも架空のものなのでファンタジー)そこからイベントの世界観をどのように想起させるのか…しかしながら「きゅういんしんけい」という言葉の響きはいいなと思いました。そこで終末的ヤヤコシサのイメージを盛り込んで漢字を「九陰神経」とすることでオリジナルのタイトルとしてみてはと提案するとWotazumiも大層気に入っておられ「九陰神経」というタイトルにして、その英訳に当たる造語として「Neurotic Jiuyin Zhenjing」(Neurotic=神経症の、ノイローゼのなどの意)としました。フライヤーやポスターなどグラフィックをつくる上ではいろんな要素を組み合わせたりするのですが、デザインのひとつのモチーフとして英語表記をつかうことがよくあります。必ずしも毎回英語の決まった言い回しがあるわけではないので作品の世界観に沿ったふさわしい英語表記をつくることも時には必要だったりして、結果それで変な英語になったとしてもこれはあくまでデザイン要素なのでまぁ大丈夫なのです。

一応元々の九陰真経に敬意を払って中国・東洋的な要素とワカミホ氏を想起させるオドリコのイラストをあしらい、「神経」の感じも意識してみました。このチラシの効果があったかどうかわかりませんが、このイベントはかなり大盛況だったようで、第二回九陰神経も開催することになったのでした。ちなみにこの会場の当時よく通っていたDazzleという場所は数年前にマスターの転居によりクローズしてしまったのですが、自由度が高いパフォーマンスができてとても好きな場所でした。


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