自称、舞踏界隈で一番のお笑い好き/キングオブコント2021・出ただけで笑いが起こればほとんど勝ち

自称、舞踏界隈で一番のお笑い好き/キングオブコント2021・出ただけで笑いが起こればほとんど勝ち

IMPROVISATION

自称、舞踏界隈で一番お笑い好きのRoominです。年に一度のコントのショーレース「キングオブコント」は昨年はチェックしないままに気が付いたら終わっていて悔しい思いをしました。せっかくお気に入りのジャルジャルが優勝したのに…。しかしながらここ何年かはこのショーレースでそこまで面白いネタにも出会えていないという印象もあり、さほど熱心になっていなかったというのも正直なところであります。今年はたまたま野球の中継がないか番組表をチェックしていて「キングオブコント」の決勝が行われることを発見したのできちんと調整しリアルタイムでTV観戦することができました。

でも実は今までものすごく面白いネタをキングオブコントで見た記憶がなくて、あまり期待していなかったのかもしれません。(もちろんどぶろっくとか大好きなのですが…)M-1の時と違って今回は特にメモを取りながら観戦する気はなかったのです。
→自称、舞踏界隈で一番のお笑い好き/舞踏と関係なくM-1グランプリ2020を真剣にみた結果
しかしながら結果的には私の想像を嬉しい形で裏切るような、結構レベルの高い大会だったのではないかと感じております。その証拠に今回書くつもりのなかった「審査員気取り」の講評メモを途中から書き出さずにはいられなくなっていたのです。

希望的ダークホース「男性ブランコ」のスマートな憑依力

最初にメモを取り始めたのは、今回初見の「男性ブランコ」というコンビです。見た目に印象が特に濃くなくそれなのに最初に出てきただけでその女装の姿だけで会場に「ほこっ」「ほこっ」と笑いの息吹を生じさせており、それだけでもかなり成功かと思うのですが、その女性(役)から発せられるコテコテの関西弁が意外の妙で爆笑を誘います。ネタの展開も世間の一般常識にとらわれるものではなく、非常にスマートなネタだと思いました。でも何よりよかったのは「ただ出ただけで笑いが取れた」点にあったのではないかと思います。舞踏とかでもそうなのですが、生物の舞台って会場からの反応を受けて、ある「ゾーン」に到達するともう最後まで行けちゃうと思うのです。そういう流れの引き寄せ感はあったかなと思いました。

男性ブランコ

お笑いニューノーマル「ザ・マミィ」の人間賛歌

基本的にこの大会では10組の出場チームの中から上位3組による決勝戦を経て優勝を決定する流れとなっております。Roommin’は「男子ブランコ」が気に入ったのでこのまま勝ち残ってくれれば決勝戦でもうひとネタ見られるな〜っと思っていたのですが、次にメモを書かずにいられなくなったネタに出会ってしまいました。割と最近よく名前を聞く「ザ・マミィ」というコンビです。見た目がおっさんぽいのでもっとベテランかと思っていたのですが結成4年目だそうでかなりの若手でした。そのアウトローっぽい雰囲気を十二分に活かした設定とそれを引き立てる今の時代の若者のバランスは、恐らくこれまでのお笑いにはないシチュエーションに感じられて、私は「お笑いのニューノーマル」を感じました。「いいじゃんみんな自分の価値観で生きて」と言ったエールを押し付けがましくなく感じることができたような、じんわりいいネタだと思いました。しかも面白い。ちなみにここまでのメモを取った2組のネタには私は声を出して笑っています。テレビで「声を出して大笑い」するネタというのは滅多にないことなのでここまででも相当満足していたのです。

美しさすら感じた捨て身はもはやスペクタクル「空気階段」

しかし、さらにすごいものを観てしまいました。それが結果的に優勝した「空気階段」というコンビのネタです。このグループはもう既にそこそこ売れて活躍されていますが、スマッシュヒットを出す芸人さんではないというかどこか斜に構えたところがあるのかなという印象でした。ところが今回のネタでは本気で優勝を狙いにいったのであろう完成度が感じられて素晴らしいものでした。まず、見た目のインパクトでただ出てくるだけで面白いのは入り口にすぎず、誰もがその場面を考えるだけで笑わずにはいられないシチュエーションの設定は素晴らしく、コントの演劇要素を用いて笑いに転化させるために自らの体を全て晒した捨て身の身体には感動すら覚えましたし、もちろん声を出して大笑いしてしまいました。自分の身体の強みを活かして笑いへと昇華させる行為は舞踏などの身体表現にも共通する要素であり、お笑いから学ぶことは本当に多いです。そして最近のお笑いはかなりレベルが高くなっていて、皆それぞれが舞台で経験を積み全力で考え抜いたネタをこうして昇華させてくれて本当にありがとうと言いたい気分でした。

結果的に今回私がメモを取ったこの3組は揃って決勝に進出し、待望の2本目のネタも拝見するに至ったのですが、やはりどの組も1本目の方が素晴らしかったですし、それはやはり「つかみ」にかける意気込みというかそう言った勝負処を1本目に置いていたのでしょう。(例えばライブでやって弾けたネタを持ってきたりとか?)
その中でも優勝された「空気階段」は素晴らしかったと思いますし、他の2組もすごく良かったと思いました。さらにはそのほかにもメモしなかったものの会場では笑いをとっていたいいネタはたくさんあり、全体的にレベルの高い大会となったのではないかと思います。その証拠に昨年のチャンピオンのジャルジャルがトロフィーの返還に登場した際に「今年だったら優勝できていたかわからない」とコメントしていて、ジャルジャルもひんやりするほどのイキのいい今年のパフォーマンスだったんだな〜と思います。